No.20(インド古代国家@)  : 

「カニシカ王の仏教利用とその結果とは何か?」

クシャーナ朝3代カニシカ王はイラン系の人物であるため、インドを治めるために自
分を前のインド人王国マウリヤ朝の全盛アショーカ王の生まれ変わりであるとした。
よって仏教保護に努め、第4回仏典結集を開いて大乗仏教を確立させた。その結
果、インド人支配は力ずくの圧制とならずに全盛を迎え、仏像製作も始まりギリシア
風のガンダーラ美術が成立して日本や中国にも影響が及んだ。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
統一原理としてのクシャーナ朝による仏教の政治利用を、国家と宗教の関係の類
型化された一つのパターンとして理解することにより、学習意欲を高めている。

思考・判断:

カニシカ王による大乗仏教の確立は、一種の征服王朝であるクシャーナ朝が圧倒
的大多数のインド人を統治する上で、仏教をより宗教的にする政治的な必要性に
基づくものであるという考え方ができている。

資料活用の技能・表現:

ガンダーラ仏像の写真を見ることで、クシャーナ朝発祥の地がギリシア系バクトリア
王国の故地であったことや、当時の西北インドがヘレニズム文化の強い影響下に
あったことに気付く。

知識・理解:
我が国に伝来した大乗仏教や仏像美術のルーツ、およびそれらの成立事情につい
て、基本的な知識を身につけている。